鉄工所の三代目がもがくblog

鉄工の仕事の話はほぼ出てこない

尾道の文化財の神社を3Dスキャンしてモデリングした話

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尾道市文化財の神社の改修工事の(関与した期間だけで)約3年に渡るプロジェクトが完了しました。
メインは劣化した屋根の銅板の張り替え工事で、図面を引くための概略図の作成と完成後の再計測とモデリングを担当しております。
あと過去に取り扱った彫刻の保存なんかもここです。

 

thethird.hatenablog.com

計測

まずは3Dスキャナで計測を実施。
冒頭の写真のように足場の上をスキャナを担いで移動するのは中々の重労働。
約30スキャンで作業完了。接合して足場を取り除くと以下のような感じに。

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モデリング

モデリングは彫刻まで極力再現しております。
モデラーは地獄を見たとかなんとか。

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ここまできたらあとは2D切り出すのは簡単。

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これをベースにUnity+Oculusで3Dの中をウロウロしてみたいんだけど木造建築を綺麗に作ろうとしたら骨が折れるだろな・・・。
そういう用途のみであれば写真ベースで作った方が楽で見栄えがいいのかもしれない。

追記(2017/05/11)
やってみた。
再現度上げるのはやっぱり難しい。
CG作るのは本職の人にブン投げたらどのくらいのクオリティになるのだろうか。

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所感

文化財と3D技術、この組み合わせは親和性が高いように思います。
図面なんかは存在してない事が多いですし現状保存をいかにするかという悩みに対して有効なアプローチの一つかと。