悪用厳禁!プロ仕様の3Dスキャナ&3Dプリンタでフィギュアをプリントするとこうなる
今回は3Dプリンタの話題になると頻繁に出てくるフィギュアのスキャニングとプリントをプロの道具で試すとどうなるのか?というのをやってみます。
3Dスキャン→3Dプリントという工程を経てどの程度現物を再現できているかという検証です。
計測対象のフィギュアはこちら
フィギュア(アンティーク)
本当はミクさんとかやりたかったけど怒られそうだから題材は著作権切れをチョイス。
相変わらず現場のロクな写真が撮れない。狛犬(後姿)だそうです。
機材については諸々込みで一千万弱でお馴染みのHandyScan700。
狛犬か?
自分は龍だと思う。日本昔話のアイツみたい。(追記)やっぱ龍でした。
スキャンして穴埋めをした結果がこちら↑。
今回はこのフィギュアの片割れが無くなったので3D技術で再現する企画の為、データを反転させて使用します。
3Dプリントを外注
とりあえず反転処理だけして3Dプリントは外注します。
今回はビートたけしのCMのDMM.makeに依頼することにしました。
データ入稿後、30分程で見積りが出ます。安価で大型造形が可能なナイロンでも17万円弱。ちと高い。
ちなみに入稿したデータで出力できる素材全てで価格を出してくれるのですがホワイトアクリルだと120万とのこと。高い。
データを肉抜きして使用材料を減らす
このままでは費用も嵩みますし中身の詰まった無垢形状は変形の原因になるそうなので中身を中空形状に加工します。
今回はデータを縮小してブーリアンで中身を抜いて下に穴を開けました。
この穴は造形の過程で内部に取り残された材料を抜く為のものです。
断面はこんな感じ。
茶色の部分が実際に造形される感じです。
いざ再入稿
さて、このデータで再挑戦。
9万2千円から、となっているので17万の半分とまでは行かないまでも劇的に費用を抑えることに成功。この値段で発注しました。
ちなみに今回はホワイトアクリルは選択不可でした。構造的に無理なのか?
造形完了
そして待つこと1週間、ようやく造形が終わり発送されました。
思ったより良かった。
冒頭の出来の悪い写真と似たようなアングル。反転されてますが。
FDM型のATOMで出力した40%サイズと並ぶとこんな感じ。
//右は出力中にフィラメントを送るケーブルが外れて頭から先の造形に失敗したもの。
//後日中身のハニカム構造を生かし鉛筆立てとして無事転生。
//ちなみに丸2日を要した。
持った感じは素焼きの陶器と言った感じ。叩くと軽い音が返ってきます。
ナイロンとかいうんで勝手に柔らかいものを想像していたけどまぁ用途を考えると好都合か。
想像以上の出来で安心しました。
あとは塗装して元のフィギュアと対になるように設置するそうです。
しかし、大事な工程がまだ残っている。
精度検証
ここまで来たら徹底的にやりましょう。
スキャナで計測したデータからプリントした物を再度スキャンします。
これで縮んでたら工業用途には使えないですし。
この3Dプリントをスキャンしたデータと、入稿したデータを比較します。
座標をあわせてカラーマッピングを実行。
おお・・・。思った以上に合ってる・・・。
右のバーを見てもらうと分かると思いますが、緑で表示されているところは誤差±0.1mm以内です。
マーカーシールの跡やスキャンしにくい深い穴では異常値が出てますが極めて高精度という結果に。
やるなDMM.make。
フィギュアの複製はできなくはない
3Dスキャナと3Dプリンタがあれば技術の上ではフィギュアを複製できてしまう。
手順と条件は以下の通り。
・3Dスキャナで計測。ただし数万円レベルの機種ではデロデロの出来になる。
・スキャンデータを補正。これは無料ソフトでもなんとかなる。
・3Dプリンタを用意。著作権に引っ掛かるデータは入稿拒否されるので外注出来ない。
FDMだとちょっと厳しい。SLSかSLAが精度が出るが高い&高い。
・色を塗る。頑張ろう。
ちなみに弊社でも著作権に引っ掛かるデータの計測はお断りしております。
著作権法で許される範囲を超えた行為も推奨しておりません。念のため。
もう一個欲しかったら在庫あるうちにポチろう。